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ZOMA ZONE OF MARKETING AUTOMATION

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2021-07-02

カメラでの動線追跡が失敗するケース


店舗でもデータ分析が当たり前になっている中で、取得できるデータの種類は増えてきています。POS情報や会員情報、アプリチェックインによる来店情報や入店人数などがありますが、その中で「動線」データを取得する企業が登場してきています。ここでいう「動線」とは、来店客がいつ入店して、どの売場を通って退店していったのか、個々の来店客の一連の流れのデータを指します。

店内での動線分析を行おうと思った場合、カメラ形式かビーコンなどのタグを持たせる形式を想定されることが多いのではないでしょうか。カメラ形式であれば、タグを持つように来店客に依頼したりアプリをDLしてもらう必要もなく、多くの動線数を取得することができるので、最近ではカメラでの動線分析に取り組もうとする企業が増えてきています。

私たちが普段目で見ているように、行きかう人々を認識したり、その人がどちらに向かっているか、グループで行動しているのかなど、人を数えることは比較的簡単なことに捉えられ、カメラでの動線分析も簡単そうに思われることが多いです。しかし、実際にはカメラでスーパーやコンビニなどの店内全体の人の動線追跡を行うのは、想像するよりずっと難しいことです。なぜカメラでの動線追跡が難しいのかご紹介します。

問題1)カメラは画像解析なので、位置は推計する必要がある

カメラでの動線計測は、映っている映像から人(もしくは対象物)を画像解析して見つけ出していきます。頭、胴体、腕、脚などから人の形を認識しますが、特に脚が写っていない場合や、混雑しており複数の人が重なって見えるときは、どちらの人が手前にいるのか分かりにくくなります。これは、カメラ単体では距離の計測を行っていないために生じる問題で、ソフトウェアで補正をかけたとしても混雑状況下では位置を正確に出すことが難しくロスト(動線として追跡できなくなる)や他の人との入れ違いが発生しやすくなります。

人数が少なく、全身が映っていれば位置の推計がしやすく動線計測が可能ですが、一般的なスーパーのような混雑環境には向いていません。

 

問題2)カメラの向きで、人が重なりやすく入れ違いが頻発する

カメラによる動線追跡を行う場合、既存の監視カメラを利用できないのでしょうか。監視カメラはより広いエリアを見ることができるように、斜め下向きに設置しているケースが多いですが、この場合だと、人同士が重なりやすく、入れ違いや動線のロストが非常に発生しやすくなります。
この対応策として、人の重なりを防ぐために、真下向きにカメラを設置する方法があります。この場合は、カメラの必要台数が多くなりますが、人の入れ違い発生率は下がります。ただし、カメラの画角の端(カメラ画像内の周囲の部分)はゆがんでしまうため、補正をかけても動線の精度が下がってしまい、広いエリアの動線計測には向いていません。

真下向きに照射しても、画角が歪まないで足りる範囲、例えば入り口だけ、レジだけのような狭いエリアでの動線計測は可能です。そのため最近では入店カウントとして、店舗の入り口真上に専用のカメラを設置する店舗が増えてきています。

 

問題3)複数台のカメラのデータ連携が難しい

天井が低く、棚の多い一般的な店舗では、1台のカメラで店内全体を計測することは難しいです。そのため監視カメラと同様に複数台のカメラを店内に設置することになります。その時はもちろん、一人の人が売場を移動するごとに他のカメラに、あるいはカメラの設置によっては同時に複数のカメラに計測されることになります。店内全体の流れを取りたい場合は、複数台のカメラに映っている人の動線データを引き渡していき、最終的に1本の線で表現する必要があります。この複数台カメラでの動線の引き渡しも、位置を正確に出しにくいカメラでは難易度の高い作業となります。

問題4)プライバシー問題

カメラ画像の場合、取得した顔画像が特定の個人を識別できる場合は個人情報となります。一方、カメラ画像から人の形を判別し、人数をカウントする場合は人物特徴ではないため個人情報にはなりません。カメラ画像による動線データの場合、特長量データを都度削除して、動線データと特長量データを紐づけて管理しない場合は個人情報ではないとされています。(平成30年3月30日総務省「カメラ画像利活用ガイドブックVer.2.0」https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000040.html)

そのため、カメラによる動線分析はプライバシー上問題ないとされていますが、配慮事項として事前に来店者に告知を行うケースもあります。店舗の中では、動線計測のためのカメラが増えると来店客の心象がよくないという理由から、カメラ以外の方法を探したり、形状が従来の防犯カメラとは異なるスマートなものが求められる傾向にあります。

 

動線を追跡するには

カメラを用いて位置を正確に計測するためには、測距機能を持つカメラが必要になります。ステレオカメラのように人間の目と同じような2つのレンズから位置を割り出すカメラを利用する方法がその一つです。

他にも、カメラ画像を使うのではなく、測距ができるセンサーを用いる方法もあります。赤外線センサーは、人には見えない安全な光を出して、跳ね返った距離で位置を計測する仕組みのため、複数台のセンサーを設置した時でも正確な位置計測をし続けることができます。カメラのように画像データを取得しているのではないため、プライバシーの問題もありません。

 

まとめ

カメラでの動線計測は、人の目で見ている様には簡単なものではありません。現在の技術では、少ない台数で見られる範囲、かつ人の重なりが発生しない状況(人が少ないか、真下向きに設置する場合)であればカメラでの動線計測が広がってきていますが、広いエリアでひとつなぎの動線を計測して分析データに生かすためには、まだ難しい課題が多いです。

センサーによる動線計測の場合は、これらの課題を乗り越え店内全体の動線も、売場単位の動線も、入店カウント利用も可能です。もしカメラでの動線計測に限界を感じている場合や、カメラでは目的を達成できそうにない場合は、ぜひセンサーでの動線追跡も検討してみてください。

 

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